吃音者がFF11にハマった理由

ぼくはFF11にハマっていた。

いわゆるネット廃人というのに近かったと思う。

 

ニートで外出もしない男がFF11にハマるのも無理はないと思う。

暇だし、お金も無いし。

それに実は人と関わりを持ちたいっていうのもあった。

ぼくは友達がおらず、誰とも関わらない日が何カ月も続いた。

そこに昔慣れ親しんだFFの最新作が登場した。

それはオンラインゲームだった。

家に居ながら世界中の人と冒険し、強敵に立ち向かった。

 

ぼくがFF11にハマるのに時間はかからなかった。

プレイ時間は1日平均17時間。寝る間も惜しんでやっていた。

 

ゲームの中のぼくは仲間に頼りにされていた。

とても快感だった。

それは、これまでの人生は吃音に悩み苦しみ、人に頼りにされるという経験をほとんどしてこなかったぼくにとっては麻薬のような中毒性があった。

 

これだけゲーム内での活動時間が長いと、ぼくという名のもう一人の自覚者がオンライン上で暮らしているような感覚になる。

ぼくは本当に存在しているのだろうか?

そんな哲学じみたことを思ったこともある。

その答えをくれたのがFF11だった。

いや。正確には答えをくれたと誤解していたのがFF11だった。

FF11はぼくの心の安定だった。

だがぼくの何かを変えることは絶対にない。

つまりぼくがFF11をやり続ける限り、僕は何も変われないし、吃音者として人生を歩みだすことさえできない。

FF11のサービス終了と共に、ぼくの人生も終了する。

吃音と共に生きていくより、よっぽどいい人生なのかもしれない。

吃音者がFF11にハマった理由